金沢大学 理工研究域 機械工学系 環境科学研究室

金沢大学機械工学系

太陽熱駆動による実証試験(NEDO提案公募事業)

実証試験設備の鳥瞰図
実証試験装置の概略図 試験結果の一例(快晴時)
ハニカム回転除湿機 除湿機:西部技研製SSCR-L型を利用
(低温度再生用デシカントローター)
直径1.22m、幅0.2m、ハニカムピッチAS-31
ローター回転数:最適値(この場合25rph)
給気・再生空気流速:2m/s(面風速)
<解説>
デシカント空調装置
デシカント空調装置は送風機、回転型除湿機、加熱器、熱交換器、および水噴霧式加湿器から構成され、装置全体の大きさは5.0 m × 1.40 m × 1.74 mである。除湿機には直径1.25 m、幅0.2 mのハニカムローター ( 西部技研製、SSCR-L )を用いた。このハニカム吸着材ローターはガラス繊維を基材としてシリカゲルを含浸合成し、成形したものである。このハニカムローターは20−25 rphのゆっくりとした速度で回転しており、給気側では送風機から送られてきた外気空気を除湿し、排気側では高温空気により再生される。排気側流路で熱交換器と除湿機間の加熱器は伝熱面積63 m2のフィンコイル熱交換器であり、この加熱器を通して太陽熱がデシカントプロセスに供給される。顕熱交換には直径1.25 m、幅0.4 mのアルミニウム製ハニカム回転熱交換器を使用した。この熱交換ローターは除湿機ローターよりもはるかに速い450 rphで回転し、比較的低温である空調対象室からの排気と、吸着熱により温度の上昇した除湿後の乾燥空気とを熱交換する。水噴霧型の加湿器は熱交換器と空調対象室との間に吸気側および排気側にそれぞれ1台ずつ設置してある。加湿器では水を空気流に直接噴霧して生じる気化断熱冷却により空気温度を下げる。

給湯システムおよび空調対象室
給湯システムは太陽熱収集器、補助給湯器、緩衝用の2つの温水タンクから成っている。太陽熱収集器には平板型集熱器を用いた。全ての太陽熱収集器群は、南向きに30oの傾斜を持たせて固定してあり、太陽の追随機構は持たない。また、補助給湯器は流路切換によって、太陽熱収集器との併用直列運転あるいは単独運転が可能である。温水タンクは日射量の瞬間的な変動による温水温度変化の緩衝用に太陽熱集熱器の前後に設置した。空調対象室は、床面積は60 m2、容積は144 m3である。

上記試験結果について
日射量は朝10時の0.8 kW・m-2から南中時刻の1.0 kW・m-2を頂点に夕方16時過ぎには0.5 kW・m-2を下回っている。これに伴って太陽熱温水器から得られる温水温度は50℃(10時)〜65℃(13時)〜40℃(17時)、除湿機再生空気温度は45〜55〜38℃であり、十分な温度とは言い難い。しかしながら晴天時には外気温度が日射量に比例して変化する傾向にあるため、また、外気湿度が比較的低いために空調対象室への給気温度は除湿機再生温度が50℃以上であった15時までは15 ℃以下に保たれている。COPについて、太陽が光り輝く日中では0.6(室内基準)程度であるが、これらの値は再生空気量の最適化、除湿機における再生側から給気側への顕熱移動の抑制、あるいは太陽熱収集機周辺の熱損失量の削減により改善可能である。なお、この日の冷熱出力の最大値は14.5 kW(南中時刻)であった。
回転型熱交換器 除湿機:西部技研製ユングストローム型
直径1.25m、幅0.4m、ハニカムピッチAS-42
ローター回転数:450rph
温度効率:0.9
給気・再生空気流速:2m/s(面風速)
高い温度効率を達成するために通常型の
2倍厚(0.4m)のアルミローターを利用
直接水噴霧型気化冷却器 気化冷却器:空気流に向かって水噴霧するごく簡単な形式
(サイズ:開口部1.4m×0.7m、奥行1m)
装置のスケールダウンのためには
小型で効率の高い気化器が必要
平板型太陽熱温水器 太陽熱温水器:平板型(市販品)
(総面積:60m2)
真空式太陽熱温水器導入により
太陽熱利用率の向上

(曇天でも冷房運転可能か?)